*[ノンフィクション/日本] セックスボランティア

 河合香織 新潮社

障害者が性を含めた生を自然に生きるためには、世の中の意識が変わることや行政、ボランティア、ビジネスの取り組みも必要だが、この本を読んで、その人が恋愛できるか、結婚した後それを継続できるかどうかの決め手は本人の性格やコミュニケーション能力なのだと思った。雑誌掲載時に障害者夫婦の熱々の新婚時代を取材した著者が、単行本化にあたってその後を取材すると会話が減っていたという部分で思わず自分の家庭を振り返ったのは私だけではないと思う。

本書に登場する人たちが口々に言うようにボランティアで性を扱うのは、提供する側にもされる側にも精神的負担が大きいのではないだろうか。金のためにやっていると言い張る障害者専門デリヘルのオーナーのスタンスに好感が持てた。


セックスボランティア