2004-02-01から1ヶ月間の記事一覧

 「ナラティヴ・セラピーの世界」 小森康永・野口祐二・野村直樹編著 日本評論社

セラピストはクライエントの症状に注目するのではなく、恣意的にリフレーミングするのでもなく、対等な立場でクライエントの語りに興味を持って耳を傾け、2人でクライエントの人生の新しい物語を作り上げる。物語に深い思いを持つ私には、非常に興味深い療…

「心理学化する社会 なぜ、トラウマと癒しが求められるのか」

斎藤環著 PHP臨床現場にいる精神科医が、心理学化に浮かれる社会を斬る評論集。トラウマと癒しのブーム、精神医学と心理学の違い、広く薄い狂気の拡散、臨床現場からマスコミへと用いられる場を移した精神分析などについてのトピックが興味深い。臨床の経験…

「自殺の心理学」 高橋祥友著 講談社現代新書

自殺の原因、自殺に至る過程に見られるサイン、年代別の特徴、自殺したいと打ち明けられた場合の対応など、自殺について網羅的に説明されていて、わかりやすかった。「自殺したい」と言う人は自殺しない、リストカットなど致死性の低い自殺法を選ぶ人は自殺…