2005-01-01から1年間の記事一覧

*[フィクション/外国]「ダーラナの地主館奇談」

セルマ・ラーゲルレーヴ 松岡尚子訳 日本図書刊行会「ニルスの不思議な旅」の著者セルマ・ラーゲルレーヴが書いた幻想的な愛の物語。メリー・ラーンによるバイオリンを弾く青年とスウェーデンの自然を描いた絵も、風景の中に入っていきたいと思わせる。

*[ノンフィクション/日本] セックスボランティア

河合香織 新潮社障害者が性を含めた生を自然に生きるためには、世の中の意識が変わることや行政、ボランティア、ビジネスの取り組みも必要だが、この本を読んで、その人が恋愛できるか、結婚した後それを継続できるかどうかの決め手は本人の性格やコミュニケ…

ハサミを持って突っ走る

家庭を顧みない父親とエキセントリックな母親が離婚して、息子のオーガスティンは母親が頼りにしている精神科医に押しつけられる。彼の家族は、怒りを開放し、何物にも囚われず自由に振る舞え、という精神科医の方針に全員が従った結果、家の中も家族関係も…

 ボーナス・トラック

越谷オサム 新潮社風邪だかインフルエンザだかで2週間以上ネットに書く気力をなくしていた。だが読めなかったのは1週間だけだったので、回復期にはひたすら読み続けていた。その中でもかなりアタリだったのがこの「ボーナス・トラック」だ。ひき逃げされて…

 「夢は人に何を伝えているのか」

秋山さと子 ベストセラーズユング心理学によれば、夢は無意識からのメッセージである。著者は夢を記録したり、夢を通じて無意識が教えてくれていることについてよく考えることを勧めている。それによって、夢を覚えておけるようになり、意識が見落としている…

 「ICO 霧の城」

宮部みゆき 講談社宮部みゆきが書いたゲーム「ICO」の小説。すべてのゲーム機を持っているというほどゲーム好きで知られる宮部みゆきが、「ICO」のサントラを聞いてゲーム画面を思い出しながら書いたと言われるだけに、ゲームをプレイしていない読者もゲ…

 鬱力

柏瀬宏隆 集英社インターナショナル病跡学の視点から、ベートーベン、ジョン・レノン、宮沢賢治、ジョージ・ルーカスなど、作家・詩人や音楽家などの創作活動に及ぼした鬱の影響について述べている。取り上げられている著名人たちは必ずしも鬱病ではなく、て…

 主婦になりきれない女−中流核家族からのRun Away

橘由子 ブロンズ新社4年生大学卒の学歴と、数冊の著書を持ち講演もする仕事と、年収1千万円の優しい夫と2人の子ども、一戸建ての家、絵に描いたような幸せな生活だったはずなのに、体重が減り、目がすわり、感情失禁をきたして、著者は離婚することを選ぶ…