*[フィクション/日本] おまけのこ

「おまけのこ」 畠中恵 新潮社表題作の「おまけのこ」が一番シリーズらしかったと思う。若だんなももう十八歳。でもやることも言うことも10歳ごろと変わらないような。それに引き替え、今回の登場人物たちは著者の身近な人たちをモデルにしたのかと思うほ…

*[フィクション/外国]「ダーラナの地主館奇談」

セルマ・ラーゲルレーヴ 松岡尚子訳 日本図書刊行会「ニルスの不思議な旅」の著者セルマ・ラーゲルレーヴが書いた幻想的な愛の物語。メリー・ラーンによるバイオリンを弾く青年とスウェーデンの自然を描いた絵も、風景の中に入っていきたいと思わせる。

*[ノンフィクション/日本] セックスボランティア

河合香織 新潮社障害者が性を含めた生を自然に生きるためには、世の中の意識が変わることや行政、ボランティア、ビジネスの取り組みも必要だが、この本を読んで、その人が恋愛できるか、結婚した後それを継続できるかどうかの決め手は本人の性格やコミュニケ…

ハサミを持って突っ走る

家庭を顧みない父親とエキセントリックな母親が離婚して、息子のオーガスティンは母親が頼りにしている精神科医に押しつけられる。彼の家族は、怒りを開放し、何物にも囚われず自由に振る舞え、という精神科医の方針に全員が従った結果、家の中も家族関係も…

 ボーナス・トラック

越谷オサム 新潮社風邪だかインフルエンザだかで2週間以上ネットに書く気力をなくしていた。だが読めなかったのは1週間だけだったので、回復期にはひたすら読み続けていた。その中でもかなりアタリだったのがこの「ボーナス・トラック」だ。ひき逃げされて…

 「夢は人に何を伝えているのか」

秋山さと子 ベストセラーズユング心理学によれば、夢は無意識からのメッセージである。著者は夢を記録したり、夢を通じて無意識が教えてくれていることについてよく考えることを勧めている。それによって、夢を覚えておけるようになり、意識が見落としている…

 「ICO 霧の城」

宮部みゆき 講談社宮部みゆきが書いたゲーム「ICO」の小説。すべてのゲーム機を持っているというほどゲーム好きで知られる宮部みゆきが、「ICO」のサントラを聞いてゲーム画面を思い出しながら書いたと言われるだけに、ゲームをプレイしていない読者もゲ…

 鬱力

柏瀬宏隆 集英社インターナショナル病跡学の視点から、ベートーベン、ジョン・レノン、宮沢賢治、ジョージ・ルーカスなど、作家・詩人や音楽家などの創作活動に及ぼした鬱の影響について述べている。取り上げられている著名人たちは必ずしも鬱病ではなく、て…

 主婦になりきれない女−中流核家族からのRun Away

橘由子 ブロンズ新社4年生大学卒の学歴と、数冊の著書を持ち講演もする仕事と、年収1千万円の優しい夫と2人の子ども、一戸建ての家、絵に描いたような幸せな生活だったはずなのに、体重が減り、目がすわり、感情失禁をきたして、著者は離婚することを選ぶ…

ダークホルムの闇の君

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 創元推理文庫現実世界の実業家チェズニー氏との契約によってファンタジー・テーマパークと化した魔法世界は疲弊しきっていた。観光団と手を切るためにお告げによって今年の闇の君に選ばれたダークは、魔法生物を作り出すこと以…

アースシーの風 ゲド戦記V

アーシュラ・ル=グウィン 岩波書店長く待たれていた「ゲド戦記」の5巻。まじない師ハンノキの訪れによって、テナーとテハヌーはレバンネン王のもとへ赴き、ゲドは山羊とともに島に残る。1冊ごとに各年代ごとの課題がテーマとなっているゲド戦記シリーズだ…

出したらしまえない人へ しまおうとするから片づかない

荒井有里 主婦の友社収納や働き方をテーマに千軒以上を取材した著者が気づいたのは、出したらしまえない人にはその人に合った暮らし方があるということ。収納名人の方法を真似して続かないからといって、自信をなくす必要はない。机の上に書類が山積みでも仕…

私は病気ではない 治療をこばむ心病める人たち

ザビア・アマダー、アンナ=リサ・ジョハンソン 星和書店統合失調症の患者が受診や継続して薬を飲むことを拒むのは、脳の機能の問題によるものであり、性格のせいでも、問題と直面するのを避けているためでも、まして家族を愛していないからでもない。問題は…

 魔法がいっぱい―大魔法使いクレストマンシー外伝

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 徳間書店これも「ハウルの動く城」原作者のダイアナ・ウィン・ジョーンズによる作品。4冊あるクレストマンシー・シリーズの外伝である。ちなみにクレストマンシーは個人名ではなく、代々の大魔法使いに与えられる称号のこと。…

 もしゃもしゃマクレリー ねことおっかけっこ

リンリー・ドッド文絵 さとう・あやこ訳 あづきオーストラリアン・テリアのもしゃもしゃマクレリーシリーズの第2弾。今回も絶好調のマクレリーは、ネコとおっかけっこすることにした。次々にマクレリーに追いかけられて逃げ出すネコたちのかわいいこと。で…

もしゃもしゃマクレリー おさんぽにゆく

リンリー・ドッド文絵 たまの・まさと訳 株式会社あづきもしゃもしゃした黒い毛並みのオーストラリアン・テリアのマクレリーが主人公の絵本。ニュージーランドで人気のシリーズの一作目である。散歩に出かけたマクレリーの後を次々に犬がついていく。やんち…

空の境界

奈須きのこ 講談社本書は2001年12月に発行された人気同人小説を、2004年6月講談社ノベルスから発行するにあたり加筆訂正したもの。同人小説にありがちな動機やストーリーのわかりにくさはあるものの、登場人物の造形は魅力的。日本刀をふるう着流…

菊葉荘の幽霊たち

角田 光代 角川春樹事務所アパート菊葉荘の奇妙な住民たち。不思議な味わいの小説だった。2003年5月読了。

 ひきこもり救出マニュアル 

斎藤環 PHP研究所家族からの相談への回答をもとにしたマニュアル形式の本なので、関心のあるページから読むことができる。項目も「何ヶ月も会話なし、何から話せばいいのか」、「ひきこもり」の相談はどこでしたらいいのか、「家庭内暴力からの避難マニュ…

リニューアル

今まで心理学の本を読んだ記録として使ってきたはてなダイアリーだが、今日から全ジャンルの読書記録にすることにした。カテゴリーやプロフィールの設定に苦労した。いまだにおかしなところがあるが、本棚としては充分使えるので、とりあえずこれでスタート…

『九年目の魔法』 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ

『ハウルの動く城』の原作「魔法使いハウルと火の悪魔』の作者ダイアナ・ウィン・ジョーンズの作品だが、憂いを帯びた雰囲気は彼女の作品としては異色かもしれない。2003年4月読了。

「激論! ひきこもり 工藤定次×斎藤環」 

構成永富奈津恵 ポット出版タメ塾で25年以上ひきこもり援助の実績を持つ工藤定次氏と、精神科医で「社会的ひきこもり」について積極的に発信してきた斎藤環氏の対談。家まで訪問して連れ出すところから始めタメ塾での就労体験まで面倒をみる工藤氏と、本人…

 「ナラティヴ・セラピーの世界」 小森康永・野口祐二・野村直樹編著 日本評論社

セラピストはクライエントの症状に注目するのではなく、恣意的にリフレーミングするのでもなく、対等な立場でクライエントの語りに興味を持って耳を傾け、2人でクライエントの人生の新しい物語を作り上げる。物語に深い思いを持つ私には、非常に興味深い療…

「心理学化する社会 なぜ、トラウマと癒しが求められるのか」

斎藤環著 PHP臨床現場にいる精神科医が、心理学化に浮かれる社会を斬る評論集。トラウマと癒しのブーム、精神医学と心理学の違い、広く薄い狂気の拡散、臨床現場からマスコミへと用いられる場を移した精神分析などについてのトピックが興味深い。臨床の経験…

「自殺の心理学」 高橋祥友著 講談社現代新書

自殺の原因、自殺に至る過程に見られるサイン、年代別の特徴、自殺したいと打ち明けられた場合の対応など、自殺について網羅的に説明されていて、わかりやすかった。「自殺したい」と言う人は自殺しない、リストカットなど致死性の低い自殺法を選ぶ人は自殺…

「ADHDとアスペルガー症候群 この誤解多き子どもたちをどう救うか」 司馬理英子他著

アスペルガー症候群の子どもたちが年代ごとにどのような特徴を持っているか、どのような問題に直面しているか、親や先生が適切な対応をすることでどのように変化するかが、わかりやすく書かれている。彼らは、他人の表情や場の雰囲気を読み取るのが苦手であ…

「愛という試練」 中島義道

同じ中島義道著の「働くのがイヤな人のための本」を読んだばかりなので、同じように哲学的な内容を予想していたが、実際は家族や女性たちとの関係を哲学の視点から考察している本だった。母の怒りの場面など、真に迫った描写が続くため、息苦しくなるほど。…

「愛という試練 マイナスのナルシスの告白」中島義道著

読み始める。まだ数ページ読んだだけだが、自分自身の自己愛をえぐり出されるのではないかという予感がする。

画像アップの練習

デジカメを使うようになってから、写真を撮るのが好きになった。 私には、撮影する時に、被写体をちょっと変わった角度で切り取る傾向があることがわかった。 撮影することで、自分がわかるのも面白い。 今度写真療法のことを調べてみよう。この写真はごくあ…

第1日目

この日記は心理学の勉強用に作ってみた。 読んだ本や用語の意味、講座やセミナーの感想などを記録しようと思う。もうひとつの目的はブログの使い勝手を体験すること。日記といっても毎日は無理そう。週に2,3回をめざす。