「ICO 霧の城」

   宮部みゆき  講談社

宮部みゆきが書いたゲーム「ICO」の小説。すべてのゲーム機を持っているというほどゲーム好きで知られる宮部みゆきが、「ICO」のサントラを聞いてゲーム画面を思い出しながら書いたと言われるだけに、ゲームをプレイしていない読者もゲーム感覚を味わうことができる。特に城内の探索や逃亡の部分では、ダンジョンの画面が目の前に浮かぶような気がした。

ただゲームのお約束としてのヒロインを助け出すミッションは、ヒロインを受け身にして魅力を半減させているように思えた。もっと個性的で、わがままなほど自分の意志を主張する女の子だったらよかったのに。2005年1月読了。


ICO  -霧の城-