「激論! ひきこもり 工藤定次×斎藤環」 

   構成永富奈津恵 ポット出版

タメ塾で25年以上ひきこもり援助の実績を持つ工藤定次氏と、精神科医で「社会的ひきこもり」について積極的に発信してきた斎藤環氏の対談。

家まで訪問して連れ出すところから始めタメ塾での就労体験まで面倒をみる工藤氏と、本人の内側から湧き出す自発性を重視する斎藤氏の姿勢は、対極にあるように見える。しかし、激しいやりとりの中から、2人のもとを訪れる当事者のニーズが異なることがわかってくる。そして、2人とも豊富な経験から最もふさわしい対応をとっていることがわかる。最後まで一致しない点もあるが、互い誠実な姿勢は評価しているようだ。

対照的な2人の取り組みを見ることで、読者はひきこもりについての理解を深めることができる。