ノンフィクション/日本

 「夢は人に何を伝えているのか」

秋山さと子 ベストセラーズユング心理学によれば、夢は無意識からのメッセージである。著者は夢を記録したり、夢を通じて無意識が教えてくれていることについてよく考えることを勧めている。それによって、夢を覚えておけるようになり、意識が見落としている…

 鬱力

柏瀬宏隆 集英社インターナショナル病跡学の視点から、ベートーベン、ジョン・レノン、宮沢賢治、ジョージ・ルーカスなど、作家・詩人や音楽家などの創作活動に及ぼした鬱の影響について述べている。取り上げられている著名人たちは必ずしも鬱病ではなく、て…

 主婦になりきれない女−中流核家族からのRun Away

橘由子 ブロンズ新社4年生大学卒の学歴と、数冊の著書を持ち講演もする仕事と、年収1千万円の優しい夫と2人の子ども、一戸建ての家、絵に描いたような幸せな生活だったはずなのに、体重が減り、目がすわり、感情失禁をきたして、著者は離婚することを選ぶ…

出したらしまえない人へ しまおうとするから片づかない

荒井有里 主婦の友社収納や働き方をテーマに千軒以上を取材した著者が気づいたのは、出したらしまえない人にはその人に合った暮らし方があるということ。収納名人の方法を真似して続かないからといって、自信をなくす必要はない。机の上に書類が山積みでも仕…

 ひきこもり救出マニュアル 

斎藤環 PHP研究所家族からの相談への回答をもとにしたマニュアル形式の本なので、関心のあるページから読むことができる。項目も「何ヶ月も会話なし、何から話せばいいのか」、「ひきこもり」の相談はどこでしたらいいのか、「家庭内暴力からの避難マニュ…

「激論! ひきこもり 工藤定次×斎藤環」 

構成永富奈津恵 ポット出版タメ塾で25年以上ひきこもり援助の実績を持つ工藤定次氏と、精神科医で「社会的ひきこもり」について積極的に発信してきた斎藤環氏の対談。家まで訪問して連れ出すところから始めタメ塾での就労体験まで面倒をみる工藤氏と、本人…

 「ナラティヴ・セラピーの世界」 小森康永・野口祐二・野村直樹編著 日本評論社

セラピストはクライエントの症状に注目するのではなく、恣意的にリフレーミングするのでもなく、対等な立場でクライエントの語りに興味を持って耳を傾け、2人でクライエントの人生の新しい物語を作り上げる。物語に深い思いを持つ私には、非常に興味深い療…

「心理学化する社会 なぜ、トラウマと癒しが求められるのか」

斎藤環著 PHP臨床現場にいる精神科医が、心理学化に浮かれる社会を斬る評論集。トラウマと癒しのブーム、精神医学と心理学の違い、広く薄い狂気の拡散、臨床現場からマスコミへと用いられる場を移した精神分析などについてのトピックが興味深い。臨床の経験…

「自殺の心理学」 高橋祥友著 講談社現代新書

自殺の原因、自殺に至る過程に見られるサイン、年代別の特徴、自殺したいと打ち明けられた場合の対応など、自殺について網羅的に説明されていて、わかりやすかった。「自殺したい」と言う人は自殺しない、リストカットなど致死性の低い自殺法を選ぶ人は自殺…

「ADHDとアスペルガー症候群 この誤解多き子どもたちをどう救うか」 司馬理英子他著

アスペルガー症候群の子どもたちが年代ごとにどのような特徴を持っているか、どのような問題に直面しているか、親や先生が適切な対応をすることでどのように変化するかが、わかりやすく書かれている。彼らは、他人の表情や場の雰囲気を読み取るのが苦手であ…

「愛という試練」 中島義道

同じ中島義道著の「働くのがイヤな人のための本」を読んだばかりなので、同じように哲学的な内容を予想していたが、実際は家族や女性たちとの関係を哲学の視点から考察している本だった。母の怒りの場面など、真に迫った描写が続くため、息苦しくなるほど。…

「愛という試練 マイナスのナルシスの告白」中島義道著

読み始める。まだ数ページ読んだだけだが、自分自身の自己愛をえぐり出されるのではないかという予感がする。