「自殺の心理学」 高橋祥友著 講談社現代新書

自殺の原因、自殺に至る過程に見られるサイン、年代別の特徴、自殺したいと打ち明けられた場合の対応など、自殺について網羅的に説明されていて、わかりやすかった。

「自殺したい」と言う人は自殺しない、リストカットなど致死性の低い自殺法を選ぶ人は自殺しないという通説は間違いであると説いている。また生徒に自殺者が出た場合、特に近い関係の者には個別に、それ以外の生徒にも少人数で伝えるべきであり、全校生徒を集めて「命を大切に」と檄をとばすのは不適切な対応であるとも述べている。

7年前の出版であるにもかかわらず、この2点ともいまだに広く理解されているとは言い難い。アメリカの自殺予防教育も紹介されているので、親や教育に携わる人は一読してもらいたいと思う。